初めての経験に不安を感じるのは当然です。
ましてや、コールセンターというのは、なかなか日常生活の中で実際の姿を見かけることは少ない職業です。
そのため、働いてみようという気持ちがあっても、一歩踏み出せないというのは多くの人が感じてしまうのではないでしょうか?
今回は、実際にコールセンターで派遣社員から正社員SVまでを経験した私が、その実態のご紹介をしていきたいと思います。
目次
コールセンター求人はあまりにどこでも見かけるが、実態はどんな感じなのか?
派遣求人サイトを覗いてみて、コールセンターの募集記事を見かけない日はないというくらいたくさんあります。
これはなぜか?
答えは簡単です。コールセンターのオペレーターというのは、非常に数多く必要とされているからです。
試しにどこかのコールセンターに電話してみるとすぐにわかると思いますが、おそらく大手なら数分もしないうちに繋がるはずです。なぜなら、毎日何百、何千というオペレーターを常時用意しているからです。大手企業だけではなく、公共サービスについてのコールセンターだってあります。
若い世代はスマホで検索すれば済むことでも、高齢者にはそれが難しかったり、あるいはそもそもネットには情報が載っていないという場合もあります。
実際のところ、日本社会ではまだまだコールセンターは必要とされています。そしてコールセンターを維持するためには、すごい数の従業員を抱えなければなりません。それはただ自社サイトで応募を待っているだけでは、到底まかないきれないほどの人数規模なのです。
だからこそ、コールセンターというのは、常に数多くの求人サイトに募集記事を載せているのです。
決して、採用率が低いわけでもなければ、離職率が他業種に比べ並外れて高いわけでもありません。
職場の居心地やら感情的な問題云々を抜きにして、コールセンターには大量に従業員募集をし続けなければならない理由があるのです。
コールセンターで働くメリットは?
嬉しい高時給
最も大きいのは、時給が高い点でしょう。コールセンター求人はどこの地域でもそうですが、アルバイトや派遣の相場中央値と比較すると、高額になっています。
なぜならこれは、先ほどもお伝えした通り、従業員数確保の観点から、人が集まるように目玉となるような条件を意図的に作り出しているのです。
数人程度のオペレーターが必要ということであれば、飲食店やイベント系のアルバイトや派遣と同じような時給でも何の問題もありません。
しかし、コールセンターは何百、何千という数のオペレーターが必要です。そうなると、人目を惹き、かつ入社してくれたオペレーターが他の仕事に転職しないように同程度のスキルを持った労働者に市場最高値の時給を提示しなければなりません。
少し厳しい言い方をすると、転職市場で評価を得られるようなスキルを持たない人間の就業先としては、原則としてコールセンターは最も時給の高い職場であると言えます。
有給休暇を取ったり、退職したいときにいちいちタイミングを気にしなくて良い
もう一つの大きなメリットは、大人数での就業のため、有給休暇を含めて会社を休むこと、会社を辞めることのハードルが異常に低いことでしょう。
普通の会社というのは、一つの部署に数人が所属していて、休むときは他の人と被らないように、辞めるときは業務の引継ぎをしてからというのが基本ですが、コールセンターは少し違います。
というのも、一つのデスクで就業するオペレーターが数百人規模になることさえあるため、いちいち誰か一人が休んだからといって、業務量の方よりが生まれることもなければ、誰か一人が辞めても気づかれないことさえあるのです。
またシフト制であることも多いので、誰か特定の人がいなくても、それが公休なのか、欠勤なのか、すでに辞めたのかが判断付きにくいというの理由の一つです。
クレーム対応は、実際のところどれくらい辛いのか?
たしかにコールセンターにクレームは付き物です。
我を忘れたかのように怒鳴り散らす人、延々不満を繰り返す人、はたまた商品とは関係のない話ばかりする人、様々なお客様がいます。
しかし、コールセンターには、クレーム専任担当が必ずいます。
というより、この専任担当がいなければ、数十人規模のデスクなどは簡単に潰れてしまいます。問い合わせをしようと、コール音を鳴らしたまま待っているお客様がいる中、なかなか終わらないクレームをひたすら聞いて時間を費やしていようものなら、応答率はどんどん下がっていってしまいます。
それにクレーム対応というのは、中にはオペレーターがすぐには判断できないようなお金の話が絡んでくることもあるため、そもそも相手の言い分をいくら聞いたところで、本題の話は一向に進まないというようなこともあります。
だからこそ、意地を張らずに、クレームが来たら専任担当に引き継いでもらうのが一番の方法です。ときどき自分で頑張って対応しようとする人がいますが、やはりどうしても訓練もなくいきなり毎日クレームばかり聞いていたら、心が折れてしまいます。クレームが辛くてコールセンターを辞めたという話をネット界隈でもよく見かけますが、私の経験では、そういった方はたいてい変なこだわりから対応の引継ぎを拒否するような人であることが多かったように記憶しています
クレーム対応力やストレス耐性といったような資質は、長く続けていれば嫌でもついてきます。
最初のうちに肝心なのは、あくまでクレームが来たら専任担当にスムーズに引き継ぐということだけです。
求人票に記載のノルマ有無は信用できるのか?
たしかに、明確に「ノルマ」と謳うコールセンターはほとんどありません。
ただし、実際には入ってみると、「目標値」が設定されており、その達成のために成績を追われるというのはどこでも同じです。
「目標値」が達成できないからといって、更新打ち切りになるということはありません。お伝えした通り、コールセンターというのは大量の従業員を必要とするある種特殊な業務性質のために、人を手放すことを極度に嫌うのです。
したがって、「目標値」というのはあくまで目標。解雇云々の指標として取り扱われることは原則としてないものと考えていいでしょう。
しかしそうは言っても、頑張っても頑張らなくても給料が同じになるというのでは不満も生まれるため、たいていのコールセンターでは、「目標値」の達成度に応じて時給に差をつけるように運用しています。これが良いか悪いかは感じ方によるものかもしれませんが、私個人としては制度としてはよくできているように思います。
普通、仕事というのは頑張っても評価されなくて当然というのが、世の中全体の流れであるにも関わらず、コールセンターでは、設定された目標値を目指して頑張れば、次回の契約でしっかり時給が上がるのですから。
世の不安を煽る「派遣切り」とは、コールセンターでも存在するのか?
最初の着台テストを合格できなければ、残念ながら契約更新の道は閉ざされてしまいます。つまり、コールセンターの世界にも「派遣切り」は存在します。
しかし、いわゆる仕事ができない人が、1年ほど働いて、会社側に余裕ができたので更新打ち切りにしようというようなことはほぼありません。
というも、コールセンターはいつでも人手不足なので、それこそ意図的に情報漏洩をさせたりとかでもしない限り、会社側から解雇をされるようなことはありません。唯一それがあり得るのが、研修後の知識定着確認の為の「着台テスト」で合格できない場合です。
ただしこれも一発で合格させるような仕組みではなく、何度かチャレンジさせながら微調整をして、万全の準備をしてから一人立ちをさせるための通過儀礼のようなものです。合格率は95%以上というのが普通です。よっぽど短気な性格であったり、極度のコミュ障などでなければ、だれもが合格できます。というか、そのようにあらかじめ合格率を設計しているのです。
まとめ)コールセンターの醍醐味はたくさんの人がいるということ!
以上が「初めてのコールセンターを不安に感じないための5つの心得!」でしたが、いかがでしたでしょうか?
コールセンターには、本当にたくさんの人が働いています。
そしてたくさんの出会いがあり、いろんな経験を作り出してくれます。
そして、人生においては経験こそがチャンスを作り、あなたの人間性を豊かにしてくれます。