コールセンターの受信業務といえば、「きつい」というイメージが先行しがちですが、実際にはどうでしょうか。
人と話すことが好きというだけで、できる仕事なのか不安であるという声も聞いたことがあります。
そこで今回は、抽象的に「きつい」かというよりは、どういった場面で人は「きつい」と感じるのか、ポイント別に4点をご紹介していきます。
目次
そもそもコールセンターの受信業務とは?
コールセンターの受信業務とは、商品やサービスについてお問い合わせをしてくるお客様の対応を行いうことを指し、インバウンド業務と呼ばれることもあります。
数十人規模のオペレーターが一つのデスクで一斉に業務を行うことが多く、知り合いが増えやすいという特徴も持っています。
そのほか、他業種と比べてシフトの融通が利きやすいのにも関わらず、時給が高いことも珍しいポイントかもしれません。
また直接対面式のサービス業ではないため、服装、髪型についての就業規定も厳しくはないところがほとんどです。
普段は役者をやっていたり、バンド活動をしている方にも人気があります。
受信業務のここがきつい!4つの場面
クレーム
コールセンターの受信業務というのは、商品やサービスについてのお問い合わせ窓口であると同時に、お困りごとやご不満ごとの解決窓口でもあります。
単純な商品販売時の説明や、機器の操作案内の他にも、購入商品が壊れてしまった際や、説明不足によって知り得ることがなかったサービス料金の支払い免除依頼のご連絡をいただくことも業務の中にはあります。
もちろん、よっぽどひどい対応していない限りは、オペレーターに文句をつけるお客様はいませんし、そもそもお客様もオペレーターに苦言を呈するために電話をするわけではありません。
しかしながら、お客様もどうしても時には感情的になってしますこともあるため、オペレーターを始めて最初のうちはクレーム対応が苦手になりがちです。
あくまで自分が個人的に責められているわけではなく、お客様は企業やその窓口に対して不満があるので、自分自身も窓口の担当者として話をしている、というスタンスを身につけられるかどうかが克服のポイントです。
どこのデスクでも、オペレーターが対応をすることが難しいお客様は適宜引き継いで対応するための要員を用意しているため、自分自身が辛くなる前に助け舟を呼ぶことが重要です。無理をし過ぎず、ゆっくり慣れていくのが良いでしょう。
業務知識を覚えられない
コールセンターの受信業務では、どうしてもお客様が質問することを前提に設置されている窓口になるため、企業側としてもお客様側としても、オペレーターがある程度知識を持っていることを求めます。
もちろん、自分で勝手に家で勉強してくる必要はなく、基本は企業側で十分な研修制度を用意してくれています。
受信業務の場合、おおよそ一か月から二か月というのが、研修期間の相場です。
この間に、応対マナーから、商品知識をはじめとした業務内容、OJT研修までを一通り行い、最後に着台テストを実施して万全の準備が整っていると判断した場合のみ一人立ちさせて業務にあたらせます。
なかなか研修期間中にすべての詳細を頭に詰め込むことは難しいと思いますが、実は企業側としてもすべてを研修期間中に完璧なオペレーターを育成できるとは思っていません。マニュアルの調べ方や、企業ごとの検索ツールを使いこなせるようになれれば、基本的には充分です。
だからこそ、知識をすべて覚えようと身構えるのではなく、その全体像を把握し、あとは忘れたときにどういうふうに調べたらいいか、というのを覚えていくという方に意識を傾けるのが、研修期間を上手く乗り切るコツです。
慣れると単純作業になる
お客様とコミュニケーションを取りながら、お問い合わせ内容を解決してくと言っても、慣れるといくつかのパターンがあることに気付くと思います。
問い合わせの初期申告段階では、本当に多種多様ですが、ヒアリングを重ねていくと、お困りごとというのは本当に数種類程度しかないものです。
およそ数か月から半年ほどで、だいたいがわかってくるはずですが、そうなると急に退屈に感じてしまう人も中にはいるでしょう。
まして自分には当たり前で、毎日まいにち説明していることを、初めて聞く人に懇切丁寧にご案内するというのは、それでなかなか精神的な疲労が溜まってくるくるからです。
自分で目標設定をして、日々それをクリアしていき、その成長を楽しめる人でなければ、この「単調さ」という魔物を本質的に克服するのは難しいかもしれません。
コールセンターには、時間当たりの応答件数や、個人別満足度アンケート、提案実績数など、オペレーターの目標になり、また給与評価を左右する実績値がたくさんあるため、これらを一つの基準にするといいでしょう。
あるいは別に本業を持っている方なら、就業中の時間は退屈でも仕方ないと割り切って続けていることもあるようです。
また一日を通して椅子に座って仕事をすることにもなるので、腰が悪い人などは辛い場合があります。
人間関係(マルチ商法勧誘)
受信業務のコールセンターは、どのデスクでも数十人規模と大きなところがほとんどです。
もちろん仲良くなれる人がたくさんいるというメリットもありますが、人数が増えればそれだけ人間関係で苦労することや、トラブルも増えてしまいます。
どうしても人間である以上は、相性もあるため、誰と誰が仲良くないであったりとかというのは避けられない問題です。
しかしコールセンター独自の問題としては、「マルチ商法」の勧誘があります。
契約社員や派遣社員が多い職場には、本業を別に持っている方もいて、そのパターンの一つにマルチ商法勧誘があるのです。
「パーティがある」、「みんなでカレーを作る」、「バスケットボールをしよう」というようなキーワードとともに、社外の知らない人がたくさん来ると聞いたら、注意して話の続きを聞いた方が良いかもしれません。
中にはそうではない人もたくさんいるはずですが、上記のような文言が典型的なネットビジネス勧誘の誘い文句であることもまた事実です。
自分で断り切れず、困っている場合には、デスクの管理者や社員に相談してみるのがおすすめです。
半プライヴェート的問題であっても、デスク所属が起因となっている場合、協力してくれることがあります。
フォロー体制について
これまで、コールセンターが「きつい」と感じるポイントを見てきましたが、これらは多くのデスクで発生する問題でもあるため、たいていは会社全体で対処や解決のためのフォロー体制敷いています。
座学研修中に説明をするデスクもありますが、困ったときには、デスクの管理者や社員に相談してみることが最もいいでしょう。
無理をして潰れるまで続けてもらうよりは、辞めたくなるまで辛くなる前に相談してほしいというのがデスク管理者の正直なところですから。
コールセンターの離職率について
コールセンターの離職率といえば、他業種と比べて決して低いほうではありません。
しかしその退職理由の多くが就業環境不満かというと、必ずしもそうではないのです。
コールセンターを退職した人間はまた別のコールセンターで就業することが多い傾向にあります。
受信業務という仕事自体が嫌になるというよりは、そこで培ったスキルを元手に、より条件の良いコールセンターに転職していくようです。コールセンター業務というのは普段の生活でなかなか目にする機会がない職業のため、実際に働いてみないとわからなかったということがあります。
また平均給与水準が高い分、目標貯金額を決めて就業し、溜まったら学業に戻ったり、主婦業に戻るという場合もあります。
発信業務は楽なのか?
ところで発信業務は楽なのかというと、これはこれで別の「きつい」と感じるポイントがあります。
発信業務、つまりアウトバウンドのコールセンターだと、目標の達成を厳しく求められることが多い傾向にあります。「ノルマ」と定義されている場合もあるようですね。
お客様に架電し、商品やサービスの購入、契約をおすすめするのが仕事の本質にあるので、やはり成約が取れなければ、利益は生まれにくい産業構造になっています。
帰るぎりぎりまで成約件数を気にしながら就業するのは、やはり精神的にプレッシャーに感じやすいポイントです。
まとめ)結局のところ、コールセンターの受信業務はきついのか?
以上が、「コールセンターの受信業務が正直きついと感じる4つの場面!」でしたが、いかがでしたでしょうか?
結論から言うと、デスクによってはかなり「きつい」ところもあるものの、そうではないデスクもたくさんあります。
デスクの人員規模、入電規模、立ち上げからの経過年数、採算状況、管理者要員割合等、多種多様な条件によって、就業環境は変化するからです。
しかしこれは求人票を自分自身で見て判断することはほとんど不可能に近いので、未経験の場合はまず派遣に登録して、派遣担当者に自分の希望を伝えたうえで、その求人を出しているデスクがどういった雰囲気を持っているのか、あるいはそのフォロー体制などについて尋ねてみるのが確実です。
自分でゼロから探して、上手くいく場合ももちろんありますが、やはり一かばちかを狙うよりは、きちんとしたアドバイザーのもとで判断する方が安心ではないでしょうか。
一般的に、派遣会社が持っているコールセンターの求人数は非常に数多いため、きっと自分に合った求人が見つかるはずです。実際、私も最初はそうしました。
ということで以上、「コールセンターの受信業務が正直きついと感じる4つの理由!」でした。