コールセンターは、休憩時間が多いです。
もちろんお昼休憩はきちんと法定基準分が出て、それ以外にも時給が発生しながら取れる休憩時間がたくさんあるということです。
ある種珍しい仕組みなんですが、それもコールセンターが他業種に比べ、圧倒的に大多数の従業員を抱えていることに由来するものです。
さて、今回はそのコールセンターが休憩時間が多い仕組みと、具体的にはどれくらい取れるものなのかの解説をしていきたいと思います。
目次
休憩時間はどれくらい貰えるのが普通?
冒頭の通り、コールセンターでは、お昼休憩意外にも休憩時間を複数回取得することが可能です。
では、どれくらいの頻度、または分量の取得が可能なのか?
結論から言うと、これは会社によってその基準はばらばらです。法律で規定されているものでもなければ、規定管理機構があるわけでもないので、それぞれの会社が自ら決めているというのが現状です。
しかしだいたいの目安でいうと、およそ1時間に5分程度でしょう。
例えば、1時間につき5分与えられるという計算で、一度に15分間を越えない限り、一日に何度でも任意のタイミングで休憩に行っていいというようなルールです。8時間就業の場合だと、合計で40分です。
40分の休憩を与えらえた日であれば、15分休憩を二回と10分休憩を一回行けます。もちろん5分休憩を8回取ることも可能です。
素晴らしいのは、自分が行きたいタイミング、つまり任意で行けるというところです。長時間対応があった後や、クレーム対応の後、お昼休憩から帰ってきてちょうど眠気が発生し始めた頃、いつでも休みに行けると考えると心の余裕も生まれます。
取得の方法としては、それぞれのブースに入っているパソコンのシステムで、作業中状態から休憩中状態にシステム切り替えを行います。
ボタン一つ押したら、誰かに報告したりせずに気軽に行けます。紙ベース管理をすると、計算が難しくなるので、全てシステム上で完結させるというような仕組みなのです。
コールセンターは、なぜ休憩時間が多いのか?
理由はいくつか存在する
これだけ頻繁に従業員に細かく休憩を取らせる仕事というのは、なかなかありません。
一部ではクレーム対応が精神衛生的に辛すぎるから、緩和のためにそうせざるを得ないなどとまことしやかな噂が出ていたりもしますが、そんなことはありません。
もちろんそういうデスクも世の中にはあるのかもしれませんが、最も大きな理由としては、コールセンターというビジネスモデル、つまりお金の入る仕組みに起因したものになっています。
ただ、一口に理由といっても、実はコールセンターの運営マニュアルというのは、コールセンター発祥の地であるアメリカの大手会社をロールモデルにしていることがほとんどなので、どこも大筋では似たり寄ったりなので、理由云々というよりは、慣習や慣例に従っているだけという側面があるのもまた事実です。
クライアントとの契約内容の特異性に起因する理由
簡単に言うと、人が多過ぎるからです。
中長期的には人手が不足しているようなデスクでも、一日単位で見れば、人を余らせるくらいたくさん出勤させます。
というのも、コールセンターの業務契約というのは、基本的に時間ごとのオペレーター出勤人数によってお金がを貰うという仕組みだからです。つまり、事前に決められた数のオペレーターの人数を用意できればその時間分の契約料が発生し、逆に用意できなければペナルティとして著しく低単価の契約料しか入ってこないというような契約内容になっているのです。
だからこそ、コールセンターのデスクというのは、多少人が余ってもいいので時間ごとの欠損を出さないように必死にシフティング調整を行うわけです。
それでは、余った要員はどうするのか?
これが休憩回し分の余剰として計算されます。ほとんどいつでも休憩に行っていいという仕組みの裏にはこういった背景が存在しています。
シフトの問題
大規模コールセンターの営業時間で最もよく見られるのは、朝の9時頃から夜の20時頃までというものです。フルシフトで入ると、10時間の労働時間となり、月間で見ると平気で200時間を越えてしまいます
さすがにこの労働時間で毎日オペレーターを働かせるわけにもいかないので、シフト制が導入され、早番と遅番に分けられます。
しかし綺麗に前半5時間、後半5時間とすると、今度はオペレーターの月給が下がり過ぎるために、前半の人も後半の人も8時間働かせなければなりません。
そうすると、また人が余ってしまうという現象が起きます。デスクの収支計算という観点からは不本意な余剰ですが、就労環境の健全化という観点からは必要不可欠な余剰です。
結果としてこれらが休憩回し分の余剰として利用されていきます。
それなら営業時間を短くして従業員の労働時間に合わせて方が合理的じゃないかという声も聞こえてきそうですが、なかなかそうもいかない事情があります。
あくまで営業時間を決めているのはクライアント企業だからです。自社でコールセンター部門を抱えている企業はほとんどありません。コールセンターというのは原則的にクライアントから委託されてコールセンター事業というのを運営します。
したがって、いくら営業時間が非合理的だからといって、それを改善させるということはコールセンター単体ではできません。
しかし、オペレーター側からしたら嬉しいポイントですね。
もちろん従業員の就労環境を担保する目的でもある
ここまで、休憩時間がコールセンターのビジネスモデルの仕組み上の問題から発生する制度であると説明してきましたが、当然オペレーターの就業環境への満足度向上という目的もありあります。
休憩はたくさんあった方が嬉しいですし、何より定期的な休憩は仕事への集中力を高めます。人間が一度に集中できる時間は限られています。
オペレーター業務で最も避けたいのは、お客様対応が流れ作業になってしまうことです。一人ひとりのお客様に個別感を演出するためにも、一定の集中力を維持することは業務性質上、どうしても必要なポイントだと言えます。
休憩時間の過ごし方
休憩時間の過ごし方は、それぞれ好きなことをやって構いません。
休憩室でスマホをいじってもいいですし、休憩室のテレビをぼんやりながめても、マッサージチェアに座っていても、あるいは軽食を取ってリフレッシュするのも自由です。
またコールセンターには喫煙所が設置されていることが多いので、喫煙者は頻繁にタバコ休憩に行くというのがセオリーですね。
体調が悪いときには、ソファーで少し横になって体力を回復させるということも可能です。
休憩時間は超過するとすぐバレる?
休憩時間の超過はすぐにバレます。
紙ベースで休憩時間を管理しないことは、良い側面もあれば悪い側面もあります。誰にも報告せずに休憩に行けるという面もあれば、規定時間を越えたらすぐに上司が来て注意されるという面もあるのです。
ただし、システムで一括管理されているため、夕方頃に取得時間確認のためにソートされた際に、全然休憩を取っていない新人オペレーターがいたら、積極的に休憩に行くように上司が促しに来るようになっているので、悪いことばかりではありません。
まとめ)休憩時間が多いことは別に怪しい理由からではなかった!
以上が「【知ってた?】コールセンターでは、休憩時間がたくさんある!」でしたが、いかがでしたでしょうか?
コールセンターというのは、他業種に比べると、少し特殊な世界観を持った業態です。
しかしだからこそ、休憩時間が多かったり、休みが取りやすかったり、お得な部分もたくさんあります。どうせ働くなら、そういったメリットを知って、コスパの良い働き方を探していきたいですね。