コールセンターのスーパーバイザーと言えば、「SV」という名称で慣れ親しんでいる人も多いかもしれません。
たいていの場合、オペレーターがデスク内で関わる中で最も偉い人だと思います。
企業にもよりますが、オペレーターは非正規雇用で、SVからは正社員というデスクがほとんどではないでしょうか。
契約関連の面談をするかと思えば、オペレーター業務に関しても妙に詳しかったりするので、何を主だった業務としているのかが意外にわかりにくかったりします。
目次
コールセンターのスーパーバイザーとはこんな仕事
・デスク内の各指標分析
・オペレーターのフォロー全般
主な業務としては、以上の三点になります。
管理者というだけあって、やはり管理系の仕事が主体です。
1 オペレーターの充足管理
コールセンターの至上命題とは何かと言うと、何を隠そう、「決められた時間に決まった数のオペレーターを用意すること」です
スーパーバイザーを含む管理者全員が、まずはオペレーターをブースに充足させるために、大量の採用活動を行ったり、日々の出勤交渉などを行います。
具体的には、シフト作成/管理、オペレーター採用といったような業務です。
2 デスク内の各指標分析
オペレーターの対応した実績を分析/管理することもスーパーバイザーの業務の一つです。
誰の応対効率が良くて、誰が悪いのか、誰の数値をどれだけ上げれば、全体での目標達成ができるのかということを考えるような作業のことですね。
3 オペレーターのフォロー全般
オペレーターの実績が振るわないときに、横付きで応対のヒントを与えてあげたり、後から録音音源を確認して改善ポイントを教えてあげるというようなことも、スーパーバイザーの重要な業務の一つです。
また新しいオペレーションが生まれたときの研修なども、スーパーバイザーが取り仕切って行います。
オペレーターが安心して就業するための、環境づくり全般と言い換えても良いでしょう。
スーパーバイザーに求められるスキル
・Excel等のビジネス・ツールの使用スキル
・テレマーケティング業界の基本知識
コールセンターのスーパーバイザーになるために、一般的な意味での資格は必要ありません。
そのため、多くの企業では独自の試験や研修を設けて、それをパスしないとSVとしての業務に従事できないとしています。
そしてそれらは大きく分けると、上記の三点になります。
1 高度のコミュニケーション能力
スーパーバイザーは重篤案件などの顧客対応をする場合があります。
そのため、最低限のクレーム対応能力を持っていることを必要とします。
しかしもしこれらを持っていなかったとしても、社内研修や昇格時の試験等で学ぶ機会があるため、入社条件としてクレーム対応能力を掲げている企業は存在しません(少なくとも私は見たことがありません)。
2 Excel等のビジネス・ツールの使用スキル
デスク内の数値マネジメントを行うため、Excelスキルはほぼ必須と言って良いでしょう。
ただ、新卒入社や内部からのオペレーター登用などの場合は、この限りではありません。
レベルとしては、「VLOOKUP」を一人で組める程度のスキルです。
3 テレマーケティング業界の基本知識
コールセンターの仕組みや、よく使われる用語などを最低限知っていなければ、仕事の全体像がなかなか理解できないでしょう。
もちろん初めから詳しい人間がいないのは当然なのですが、オペレーター出身のSVに比べると、他業種から転職をしてきたSVの方が、仕事を覚えるのには時間がかかりがちになってしまうのは業界知識の有無が要因です。
スーパーバイザーの雇用形態
スーパーバイザーの雇用形態は正社員がほとんどですが、これらはデスクや企業によって異なります。
形態は下記三種類です
・契約社員
・派遣社員
なぜ雇用形態の違いがあるのか?
スーパーバイザーの雇用形態が複数ある企業というのは、スーパーバイザーの中でもさらに種類があります。
例えば、転職してきたり、オペレーターからキャリアアップした場合、一年が経過しないと正社員スーパーバイザーになれないというような仕組みが作られています。
大手の企業ほどこういった制度を導入していることが多いです。
スーパーバイザーの年収はいくら?
コールセンターのスーパーバイザーの年収は、残業代を合わせるとおよそ400万円~450万円が中央値です。
先ほどコールセンターによっては、スーパーバイザーにも等級があるとお伝えしましたが、年収ベースで見ると実はあまり変わりません。
どちらも残業代含めて400万円と少しという辺りです。
参考
非正規雇用の時給で考えれば、東京都の求人でおよそ1700円~2000円程度です。
ちなみに東京都最低時給は958円であるため、比べると最大で2倍ほどの差があることがわかります。
転職時にスーパーバイザーの経験は有利に働くのか?
転職時に有利になるのは、資格と経験です。
そういう意味では、コールセンターのスーパーバイザーによって、何か特定の資格が取りやすくなるということはないため、専門職への転職に関しては、本人の努力次第ということになります。
しかし、経験に関しては、大きく分けて二点のポイントがあります。
その①:Excelを利用した数値分析経験
どういった仕事をするにしても、オフィスワーク系の業務なら、Excelを必要とする場面は必ず出てきます。
今世紀においては、最低限のビジネス・スキルになったと言っても過言ではないでしょう。
特にコールセンターのスーパーバイザー業務の場合、調べることや分析すべき内容がすでにスキームとして決まっている場合も多いため、ゼロからスタートした人でも比較的操作を覚えやすい仕事であると言えます。
そのため、Excelを利用して毎日数値のマネジメント業務を行っていたというのは、一定の経験として転職市場においても認められるでしょう。
その②:クレーム対応経験
コールセンターのスーパーバイザー経験において、最も転職市場価値が高いのは「クレーム対応経験」です。
どの企業でも、クレーム対応のような仕事はどうしても出てきますが、専門の研修があったり、得意な人が常駐しているということはなかなかありません。
だからこそ、クレーム対応の経験が豊富で、周囲と良好な関係を築くのが得意な人というのは、営業職や事務職へ転職しやすい傾向にあります。
まとめ)コールセンターのスーパーバイザーというのは、マネジメント業務職!
コールセンターのスーパーバイザーというは、営業や事務とは違って、これだけをやらなければならないということはありません。
デスクのマネジメントをすることこそが、スーパーバイザーの業務だからですね。
だからこそ、特定の資格が必要ないのです。
ある意味、スーパーバイザーのスキルというのは、スーパーバイザーをやらなければ身につかないものかもしれません。
だからこそ、もしスーパーバイザーへのキャリアアップや転職を考えているのであれば、何かをやってからというよりも、あなたをスーパーバイザーとして雇用してくれる会社を探し見てるというのが一番の近道と言えるでしょう。
そのためなら、派遣や契約社員から始めてみるのも、選択肢としては十分検討に値するものだと思います。